古いビルをイキイキ生き返らせるものとは

こんにちは、一級建築士の牧野直子です。

ビル経営サミットin東京 に参加してきました。

空きビルをいかに有益物件に変えていくか、という成功事例をいくつもその当事者のデベロッパーさんや大家さんたちが講演や対談をしてくださって、大変面白かったです。

都心の大規模開発の事例

東急不動産の開発事例の紹介

銀座に出来た商業ビルの案内。表参道のビル。渋谷の数々の開発。

いくつものビルの開発事例。縦にコアを作り、それぞれをつないだり、緑ある空間を創ろうとしたり、ということを発表されていました。

ビル経営サミットに参加しました

ビル経営サミットに参加しました

建て替えのスキームの事例

アットオフィスの事例

全国に貸し会議室を展開しているアットオフィスの社長の講演でした。
ビルの建て替え時に最適なのは会議室という提案です。

商業ビルの建て替えでとても大きな問題になるのが、テナントさんに移転してもらうこと。
更新時期の時に、定期借家契約にしていくのが普通です。

それでも、地域に根差しているクリニックや士業の先生たちは、なかなか移動してくれないそうです。ほんとに大変だとか。

だんだん交渉が終わり退出してくれていったとしても、テナントが全部出て行ってくれないと建て替えはできない。それが長期間になると、ビルの経営が非常に圧迫します。

建て替えが予定され、空き室になった場所は、入ってくれるテナントはいない。

会議室だと工事に合わせてフロアを移動することは可能だし、テナント収入が滞らないということなんです。

そして、貸し会議室を成功させることは、立地の条件を見て、そのあとにコンセプトを合わせて考えるということでした。

貸し会議室にするのか、シェアオフィスにするのか、、とのことです。

ビルの空中のカフェ

面白かったのが、ビルの6Fにカフェを作ってしまったこと。

会議室を利用される方がカフェがあるといいという要望が多く作ってしまったのだそうです。

でもそんなビルの空中階に入ってくれるカフェはいない。だから自分たちで作ってしまった。
でも、コストをかけないというのがモットーなので、ダクトを配管したり、大きな厨房設備がなくても出来るメニュー作りにしたそうです。

面白いですね。

古いビルの活性化

ビルオーナーさんの事例

実際に活躍しているビルオーナーさんが出てきました
40歳代の若手のビルオーナーさんです。

3人、ビルオーナーさんがいらっしゃいましたが、そのうちお二人は、シェアオフィスをご自身のビルで運営されていました。

古いビルでもキレイにおしゃれにリノベーションして、面白いことやろうよ!と言ったらそれに共感した人たちが集まってきた

古いビルを活性化させる共通点とは?

この成功事例を見ていて思ったんですが、ビル運営で成功している事例の共通点、それは

「コミュニティ」

コミュニティをうまくつくり出しているんですね。

これらはストック建築と呼ばれる古いビルをいかした事例ですが、それらをうまく活性化している一番の大きな要因は、コミュニティを作れたっていうこと。

立地もよく、新築の新しいビルなら、それだけで入居が決まるかもしれない。

でも、古いビルは、それだけでは競争力にまけてしまう。
だからこそのコミュティ形成でした。

コミュニティ

古いものを活性化して元気を出すのは「コミュニティ」です!

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牧野 直子

一級建築士。 店舗、オフィス、福祉施設を主に設計しています。マーケティングとデザインが大好き。バレーボールとダイエット料理が趣味です。